「あんたは、

ラルのその硬い決心を壊した。」


「……別に。俺は何も…。」


「何もなんてこと無いでしょう。

現に、今ラルがマネージャーなのは

サクのお陰なんだよ。」

マネージャー…か。

入部届貰った時は驚いたなー。


「だから、今は待ってることが大事。

あんなにバスケが好きなんだから、

絶対に戻って来る。コートの中に。」


「……そうだよな。」

焦らなくてもいい。

ただ、少しずつでも前に進めれば。


ラルが、『バスケをやりたい。』

と思ってくれれば。


それで、良いんだな。


「シノ、サンキュ。」


「クスッ。いーえっ。」