「夜桜 美早です。」

簡単に挨拶をして、室内を見渡す。

そのなかに一人、こちらをじっと見つめる男の子がいた。

…なんなの、あの人。

ふいに視線が交わる。

その瞬間、ほんの一瞬彼が驚いたような顔になる。

何かを呟いていた気がしたけど、私には聞こえなかった。