だけど、


私は、声が出なかった。


どれだけ出そうとしても、

息の音しかしない…


すると、近くにいたお医者さんが、


“ショックで声を失ったのでしょう。”

そう、言った…



だけど私には、

声なんてどうでもよかった。


ただ、大翔が助かってくれれば

それでいい…――。