いよいよ、この時が、きた。
「ねえ大翔?」
「ん?」
心臓もたない。
「別れよっか?」
時が止まったように、静かになった。
「何で、そんなこと言うんだよ。」
大翔からは、そんな言葉が返ってきて…
「ごめん、私、大翔といるより、フルートの練習したい。それに、……やっぱり、学校も違うし、お互い忙しいから、気持ちも離れちゃった!」
ぐっと涙を堪える。
「俺は、お前が何と言おうと好きだから。けど、優那の気持ちが俺にないなら、このまま付き合うわけにはいかないしな。お互い、夢叶うように、頑張ろ。」
すごく寂しそうな顔をして、そう言った大翔の目には
うっすらと、涙が浮かんでいた。