最初は紙に書いていた。




『奏斗かわる。』




そう言ってシャーペンを1回押して




稀緒はシャー芯をしまった。




そして1回咳払いをした。




「・・・ッ、菜都未。」




「稀緒ッ、何で声出るんだよッ!?」




奏斗君はちょっと混乱してる。




「何、稀緒?話していいよ。」




「・・さっき奏斗はああ言ったけど
 ホントは声、出るんだよね・・・。」




稀緒は奏斗君に謝りつつ、話を続けた。




「声が出るようになったのは、
 今日、授業をサボった後だった。
 喉に“ギリッ”って痛みがはしって、
 それからだった。」




「何で言わなかったんだよッ?」




奏斗君は頼られなかったのが悔しい様子。




「ちゃんとワケがあるの・・・。」