ショックだって思いも




不安な思いもいろいろ




たくさん入り混じって




何かわからなくなってきた。




医者は病室から出て行った。




梨穂も習字があるからと




家に帰っていった。




奏斗は残ってくれた。




奏斗は紙とペンをくれた。




声が出ないからだと思う。




『維緒姉に携帯持ってきてって伝えて。』




「わかった、ちょっと待ってろ。
 電話してくるからサ★」




奏斗が病室を出て行って




今までこぼれなかった涙が




ウチの頬を伝った。




息の音を小さくしようと思っても




これだけは小さくならなかった。