「小菅さん、何か異常はありますか?」




病院の先生が尋ねる。




答える事はできない。




なんせ声が出ないのだから。




「小菅さん、どうですか?」




無駄だよ、訊かないでよ。




でも言わなきゃ伝わらない。




しかたなく口ぱくで伝える。




医者がもしかしてという




表情を浮かべる。




ジェスチャーで伝える。




「・・・そうですか・・・。」




医者は重たげに言った。




梨穂と奏斗はぎょっとした




驚愕の表情を浮かべている。




同時に不安の色も見える。




ウチも不安にならずにいられなかった。