「「稀緒ーッッッ!!!!」」









幸い真紅の血が流れる事はなかった。




「奏斗ッ、ねぇ、稀緒がッ・・・。」




「梨穂ッ、稀緒のこと見てろよッ!
 俺は先生呼んでくッからッ!!」




梨穂は目の前で起きた事に涙を流した。




「梨穂、いいか?泣くなッ。
 今、ぜってー稀緒を助けっから!」




「・・・うん。」




「俺が行ってる間、稀緒に声かけ続けろ。」




「・・・ぅん。」




「木の破片散ってっから梨穂も座んなよ?」




そういって奏斗は稀緒のために




大事な人のために




イベントホールを飛び出し




先生を呼びに行った。




「大丈夫だよ、稀緒・・・。」




「奏斗が今呼んで来てくれるからね?」