「先生、今日はこの辺で・・・。」




奏斗は急に沈んだウチを見て
首を傾げていた。




先生も何か疑問だったであろう。




しかし何も問う事はなかった。




先生は校門のところまで送ってくれた。




「また来てな。」




「はい・・・。」




「今度は平日な。
 校長が会いたがってるから。」




校長先生はとても親切な人だった。




ウチ自身も好きな先生。




それに他の先生にも是非会いたい。




「奏斗、行こう。」




「あぁ・・・。」




奏斗はいつまでも校舎を見ていた。




あの時から何も変わらないままの
ただそこに立ち尽くす校舎。




奏斗は何を思ったのだろう。