放課後

明美には、事情を話して先に帰ってもらった。
喫茶店につくと明美の兄貴が俺を見て手をふってきた。

「……お!歩くん!」
「こんにちは」

どことなく明美に似ている。
確か、城田隼斗

頭がよくて、優陽先輩から女子に隠れ人気って聞いたな。

「こないだは、ありがとな」
「いえ…」
「率直にきくけど、君と明美は付き合ってるのかな?」

俺は少し緊張で早くなる鼓動を押さえる

「おつきあい、させていただいてます」
「そうか」

明美の兄貴は少し嬉しそうに笑った。
そしてゆっくりと明美のことを話し出した

「あの子は、俺らのなかで唯一の女で、大家族だから親も働いて夜遅くまで帰ってこないから……たくさん迷惑をかけてると思う」
「………はい」
「俺も、なんもできないんだ。料理だって洗濯だって何もできない」

恥ずかしそうに頭をかく。

「だからかな……しっかりしすぎてるっていうか、隙がないというか」
「……ふっ……確かに」

俺が微笑むと兄貴も笑った
そして、ふいに俺の顔を見て頭を下げた。