すると相手はその間何もしてこなかった。
そして私に何コートのようなものをかぶせた。
私は驚いて上を徐々に見上げると、
そこには見慣れたあいつが立っていった。
いつものばかにしたようではなく
心から私を包みこむような笑顔で。
私はびっくりして立ち上がった。
が、腰が抜けてしまったようですぐに倒れそうになる。
それをあいつが受け止めた。
私はなんだか安心してしまい体の力が一気に抜けた。
するとあいつは耳元で優しく
「もう大丈夫だから。」
とささやいた。
私はその瞬間また涙があふれた。
「うぅ、怖かった、こわかったぁ。」