それから、常陸はシャワーを浴びるため部屋を出ていき私は一人取り残され、緊張してどうしようもなかった。
ベッドの上でじっとしてても仕方がないと部屋の中をうろうろして、それでも鼓動は増すばかりで。
ようやく落ち着いてベッドの端に座ったとき、扉が開く音がした。
「待たせたな」
湯上がりでまだ髪も乾かしていない浴衣姿の常陸がドライヤーを片手にそう言った。…髪からしたたり落ちる水滴が頬から首筋を伝う様子がやけに色っぽくて、私は直視できなくてぱっと下を向く。
「髪、乾かして」
うつむく私の頬に触れながら私の膝の上にドライヤーを乗せた常陸に、私は小さな声で返事をしてドライヤーを握りしめる。