『見つめすぎだから、玲(れい)。』

授業中、窓の外を眺めてたら後ろから美和が話しかけてきた。

校庭で信ちゃんが体育の授業してる。
あれは多分、1年生。


「信ちゃんが女の子の頭、はたいたんだ…」

私の呟きに、
『いつものことでしょ。』
呆れたように美和は答えるけど。

その子と何か冗談言い合ってるみたい、楽しそうに笑ってる。

…他の子に触らないで。

馬鹿みたいな独占欲で自分が嫌になる。
ただの片想いなのに…

私と美和、ちょっとうるさかったのかな。
向こうの席から、相澤 奏太(そうた)に睨まれた。