サッカー部の練習の後、送ってくれると言った先生。

車の後部座席に乗ろうとしたら、
『話あるから、前乗って。』
信ちゃんが助手席を指差した。

『家、どこやっけ?』

隣に座って最寄り駅を答えたら、車は走り出した。
信ちゃんはそれっきり何も話さない。


…この助手席は

いつもは彼女の席?

居心地悪い。
…何か言って。

『奏太と付き合うてんの?』

…どうしてそんなこと聞くの?
信ちゃんが言ったんだよ
『奏太と似合い』って…

「先生には関係ない…から。」
『なんで…「先生」 呼ぶねん。』

車が路肩に止められた。

…何を言われてるのか…分からなかった。



『奏太と付き合うのやめ。
お前のこと、好きやから…

奏太と付き合わんで。』