2日後、サッカー部の練習を眺めてた。
奏ちゃんの足は、何もなかったように動いてた。

『ちょっといいですか?』

その時、後ろから声をかけられた。
振り向いたら、下級生が2人いた。

話したことのない知らない子達。

「何?」
『聞きたいことがあるんです。』

そう言って歩き出した。
2人についていくと、一番近い校舎の、誰も居ない教室に入った。

『すみません…ありがとうございます。』

悪い子達じゃなさそう。
私がうなずいたのを見て、1人はそっと離れた。
そこから様子を見守ってる。

『あの……
…奏太先輩と付き合ってるんですか?』

この子、奏ちゃんが好きなんだ。

不安そうな眼差しが、
誰かを想う気持ちが…

私にも分かる。

『奏太先輩を好きですか?』

…好きかって…?

単純で時々子どもだけど、奏太は素直で優しい人。
もちろん大好きだけど、先生に対する好きとは違う…
奏太が好きなのは…