なにも言い返してこない玲の代わりに、隣に居た美和が言った。

『相澤、玲失恋したてだから優しくしてやって…』

「ハァ?」

やっぱり。
こいつ、言ったのか?

「あいつがお前みたいな、ガキ」
指で玲の頭を小突いた。

「相手にする訳ないだろ。」

それでも玲は、なにも言わなかった。

…なんだよ。
言い返して来いよ。

へこみ過ぎなんだよ。

最初っから、教師なんてダメだって分かりそうなもんだろ?

アホか。

…なんであいつなんだよ。