俺は一度だけ、レイの前で弱音を吐いたことがある。




『護れなかった…。』


ただ一言、小刻みに震えながらそうつぶやいた。











それだけだったけれど、十分に俺の気持ちは伝わったようで、レイは俺の手を握り締め、俺のかわりに泣いてくれた。




父親と母親と、妹弟が死んで、俺は何をどうすればいいのか全然わからなかった。










『私が…私が、アキトの家族になるよ…。』