やっぱりこの二人は仲が良いのだと感じた。


いつも喧嘩ばかりしているが、強い絆で繋がっているように思える。


それに、どうしてか二人が言い争いをしていても、それが当たり前というかそうでないとならないというような気になる。


そんなときは決まって、幼いころを思い出すときのような感覚に襲われる。


香蘭が黙って二人を見ていると、隣で珀伶がトオルと目線を合わせるようにして膝をついた。



トオルは珀伶の行動に驚いているようだったが、珀伶は気にせずトオルの小さな手を取った。


「この子を守っていけばいいということか。それが香蘭の力になるなら手を組もう。よろしく、トオル」


そう言ってトオルに優しく微笑みかけると、トオルは嬉しそうに顔を輝かせた。




「よろしくお願いします、珀伶様」





どうしてか、すっと涙が頬を滑り、香蘭は皆に気づかれないようにそっと袖口で涙を拭った。






涙のわけがわからないまま、香蘭は皆を見た。






とてつもなく懐かしい、そんな感情に包まれながら。