ハルは二つにわかれた鈴を目線に持ち上げてじっと見つめたあと、目を瞑って胸元に押し当てた。


ハルが一体何をしているのかわからない香蘭たちがその様子を見守っていると、驚いたことに鈴が金色の光を放ちだし、部屋は目を開けていられないほどに眩い光でいっぱいになった。




しばらくしてその光が静まり、そっと目を開くと、ちかちかとする視界の中に、ハルと並んで微笑む女の子の姿が映った。


秋蛍以外の三人は、突然の女の子の出現にぎょっとして、思わず後ずさりした。



「ハル…、この子は一体?」


「トオルよ。かわいいでしょう」


「はじめまして」



ぺこりと頭を下げたトオルは、確かにかわいいが、容姿はハルそっくりで、ちょっと見ただけでは区別がつかないほどに似ていた。


長い銀色の髪も、美しい蒼の瞳も、おんなじなのである。


「もしかして、‘約束の鈴’?」


香蘭が尋ねると、トオルはぱっと顔を輝かせた。