「夢凪・・・」
「どうして・・・」
先輩はただ、切なそうに笑って近寄ってきた。
「どうして来たんですか?」
慌てて顔を隠す。
すると、先輩は顔を隠した手を無理やり外した。
そして、抱きしめた。
「先・・・輩?」
「やっぱり、話せない?」
「・・・・・・」
本当は話したい気持ちでいっぱいなんだ。でも、やっぱり、
付き合いずらくなっちゃいそうで・・・
「うぅ・・・」
「大丈夫。どんな事でも嫌いにならないし、気まずくもならないから」
そっか、私、この言葉が聞きたかったんだ。
安心させてくれるこの言葉が。
「ひっく。せんぱぁい」
「ん?」
先輩は私を落ち着かせながら、私の話を聞いてくれていた。
「・・・大変だったな」
「ひっく。はぃ」
「俺も、手伝うから」
「へ?」
手伝うって。
「俺も夢凪の為になんかしたいし。」
「えっいや、悪いですよ」
「あのな、もっと甘えろよ」
そう言ってそっぽを向いた先輩の耳が真っ赤だった。
「先輩・・・」
「さぁってと、そう言う事だから、ありがとう摩季ちゃん」
「はい?」
「大丈夫ですっ!じゃあ夢凪の事頼みますね」
ドアから顔出した摩季は、
清々しい笑顔で帰っていった。
えぇ―――――!?