―俊輝side

なんだよあいつ!!
俺が最初に見つけたのに！

夢凪も夢凪だろ。
なんで照れてんだ!
あ～ムカつく!!

しかも２人でどっか行くし。

今日は歯向かうし!!

｢俊輝君？夢凪ちゃん、好きなの？｣

｢中野に関係ないよ｣

｢そうだけど、好きな相手にはちゃんと｣

何が言いたいんだ？

｢優しくしないと離れちゃうよ？｣

『離れる』
その言葉に俺の頭は反応した。

『離れる』そういえばこの前そういう事があった。

夢凪が離れていく。
その時俺は何て思った？

『離したくない』
何故そう思ったのか。

｢･･･離したくないって言うのは好きなのか？｣

｢え？･･･｣

予想してなかった答えだったらしい。
口に手をあてる。

｢好きの中の独占欲なのかな？多分｣

｢独占欲？｣

｢うん、離したくないとか、他の奴と一緒に居て欲しくない｣

他の奴と一緒に居て欲しくない、か。
図星だな。

｢自分だけを見て欲しいかな？｣

そう言うと中野はこっちを向くと、僅かに笑う。

｢当てはまる事があったら好きなんだよ｣

｢そっかぁ、ありがとう｣

｢ううん、私も良く分からないよ？｣

｢助かった｣

そうか、やっぱり俺は好きなのか、
あいつを･･･