口の端をニッと上げると

少しだけ舌をペロッと出して

おどけてみせる。


そういえば敦、

こういう顔、

よくしていたっけ。


小学生だった敦も、

自分のことを話す時、

照れを隠すように

鼻をくしゅっとさせながら

今のような表情をしていた。


胸の中に甘酸っぱい

懐かしい気持ちがあふれ出す。


少しだけ再会は早まったけれど、

こうしてまた敦と話が出来て、

あの頃の面影を見ることが

出来て良かった。


心からそう思う。


「ところでさ」