少年のような

可愛い笑顔を振りまきながら、

敦は私の座る机の前に

ちょこんとしゃがみ込んだ。


「キミ、来るの早いね。

 いつもこんなに早いの?」


敦のキラキラと輝く瞳に、

思わず食い入るように

見つめながらこくんと頷く。


たとえ記憶がなかったとしても、

やっぱり敦は敦だ。


「うん。

 いつもこれくらいには来てるよ。

 ギリギリで慌てるの、

 なんか嫌だし」


正直な思いをそのまま口にすると、

敦は「ふーん」と呟きながら

鼻を軽くこすった。


「俺、ダメなんだよねー。

 『5分前行動』とかってヤツ?

 どうしても俺の性格上、

 どう頑張っても無理。

 だからキミみたいな人、

 凄いなーって」