「……また、私が最初、か」


何ひとつない、

まっさらな空間が

目の前に広がっていた。


空気の入れ替えのためか

窓が開いているのも、同じ。


ひとつ息を吐くと、

私はまた先週と同じ場所に

腰を下ろした。


そして、ぼんやり

外の景色を眺める。


この大学の周りは

住宅街のせいか、

静かで物音があまりしない。


ぽつんぽつんと見える木々が

風に揺れて葉のこすれる音が

僅かにきこえる。


勉学に励むには

最適な場所なのかもしれない。


そんなことを

思いながら眺めていると、

ふいにぽんと肩を叩かれた。


その方をゆっくりと振り向く。