でも、敦との再会は

苦しいものだけではなかった。


掲示板で見た

あの優しい言葉や、

甘いふんわりとした微笑み。


それだけは、

あの頃と変わっていなかった。


『私の記憶にある敦と、

 全く違うわけではないんだ』


そう思うと、

重い心もほんの僅かだけれど

軽くなった。


そして今日。


私は川岸ゼミに参加するため、

苦手な満員電車に乗り込んでいる。