『大人』になった敦。


『約束』を忘れてしまった敦。


この事実に正直、

落胆の色を隠せないでいた。


でも、その後に待っていた

敦の優しい言葉。


ふんわりとした甘い微笑み。


それは、あの時と

全く変わっていなかった。


それだけ感じられただけでも、

敦と再会できて

良かったのかもしれない。


「敦……」


枕を見つめて

そっと呼びかける。


『私、あの時の約束、

 ずっと忘れてなかったんだよ』


言えなかったその言葉。


それを今、

心の中で敦へと囁いた。