「さっきはすみませんでした。

 私、変なこと言っちゃって」


緊張と恥ずかしさで

顔が赤く染まるのを感じながら、

さっきのことを敦に謝る。


本当なら敬語でなんか

話したくないのだけれど、

敦は私のことを

忘れてしまっている今、

仕方ない。


いや、

小さい頃の約束なんて

忘れる方が自然なことなのに、

私の感情をストレートに

ぶつけてしまった自分が、

今思うと情けない。


そんな私の気持ちを

察してくれたのか、

敦は首をふわりと横に振ると

穏やかな口調で話し始める。