様々な想いを胸に、

私は意を決して

敦が座る方へと足を進めた。


1歩、2歩。


近付くにつれ、

私の鼓動もどんどんと

速度を増していく。


このまま破裂してしまうのでは

というほど激しい状態のまま、

私は敦が座る少し手前で

足を止めた。


「あ、あの……」


消え入りそうな

小さい声で精一杯呼びかける。


その声を聴き取ってくれたのか、

敦がふと顔をあげた。


「何?」


あまりにぶっきらぼうな言い方に、

心がズキンと痛む。


でも、私は

勇気を出してさらに言葉を続けた。