「依茉ちゃん、皐月の奴は接待してるから
今は僕が依茉ちゃんを接待してあげる」
え、苑朶さんが…?
「良いですっ!
私お酒飲めないしっ…
一人で大丈夫ですっ!」
「そんな事言わずにさー。
ジュースもちゃんと店にあるよ。
僕が特別にブレンドしてあげるから」
「私、今喉渇いて無いんで…」
じりじりと間合いを詰めてにじり寄って来る苑朶さん。
はっきり言って 嫌 だ !
その時、横から皐月くんが口を挟んだ。
「マスター、必要以上に依茉に関わらないで戴けます?
依茉は俺が捕まえた餌なんですから」
「分かってるよ。
ただ、皐月が自分から餌を店に呼ぶなんて事滅多にねぇから顔を拝んでみたくなっただけだ」
苑朶さんは諦めたかの様にお手上げポーズをして私の前を通り過ぎて行った。