不気味な程のネオンの中、橙色の豆電球で店の名前が描かれている。


勿論、英語表記。



店の名前は“Sun Shine”



此処に本当に皐月くんがいるの?



目をしばたたかせて、店の外見を見張る。



まるで鉄格子をモチーフにしているかの様な店の玄関は銀色の扉に小さな窓が付いている。



窓は磨りガラスの造りになっていてどうやら外から店の中を覗くのは難しそうだった。



店の壁には小さな丸い窓が幾つか設えてあるけれど、此方も全部磨り硝子で中の様子を窺う事は可では無かった。



入るべきか、入らざるべきか。



私は店の看板を睨み付ける様にしてその場に佇む。



いや、来たからには入るけど…



それでも私の中の本能が店に入る事を拒否していた。



それはきっと、鍋島さんの話がさっきから頭の片隅をちら付いて離れないからだ──。