「やっと思い出したか」



そう言って不敵な笑みを見せる皐月くんは、
やっぱり優しい皐月くんでは無くて。



恐怖で涙が零れた。



思い出さなきゃ良かったっ!



「私をあの場に放置しないで家まで送ってくれたから、
皐月くんって本当は優しいんだって…
一瞬前までそう思ってたのにっ!」



「自惚れんな。

お前は餌だからお持ち帰りしただけだ」



皐月くんは悪態を吐くと私の佇むベッドの上に足を組んで座った。



「ひっ…」



急に態度が豹変した皐月くんから操を守る為に伸ばしていた足を引っ込める。



自然と体勢が体育座りになった。



そんな私に皐月くんはちらりと目を向ける。



「…何?
怯えてんの?

大人しくしてなよ、吸血の反動で体弱ってんだから」



「……。」



酷いよ、誰のせいだと思ってるの。