「依茉」




誰かが私を呼ぶ声がする。








「依茉」







一体、誰?







誰が私を呼んでいるの…?







「んんっ…」



小さな呻き声を上げながら目を擦る。



まだまわらない頭の中、ゆっくりと目を開くと
そこに映ったのは──




「…皐月くん?」



にっこりと優しげな顔で微笑んでいる皐月くんの姿があった。