ふと、視線を感じて画面から目を離すと、碧はじっと私を見つめていた。
まるで獲物を狙うように。
怒っているんだかなんだか、わかんないけど…ちょっと怖いかも。
そう思いつつ、目線をずらして立ち上がった。
「さて、開店しましょうか」
「はーい」
ガラス張りの扉からそっと覗くと、もう行列が出来ている。
覗いている私に気付いたようで、黄色い声があがった。
チャリン♪
「いらっしゃいませ、お待たせ致しました。ではご案内致します」
「いらっしゃいませ‼こちらへどうぞー」
「いらっしゃいませ。お待ちしておりました。どうぞ」
お客様をお席へと通していく。
お店自体はそんなに広くないけど、席が沢山用意されている。
確か120席だったかな。
その理由は、お店のシステムにある。
お客様は好きなケーキと好きな飲み物を好きなだけ食べて飲めるのだ。
もちろん、時間制限が90分とあるのだが5000円払って頂くと時間制限がなくなる。
確かにそうすると席が空かないと思うが、実際10時から17時の営業時間で並んだお客様全てお席へ通すことが出来ているから問題はあまりない。
そして、今日も一日がはじまった。