まるで尻尾が生えてるかのように、うきうきしてる彼は立川礼央(れお)。
可愛いけどかっこいい…らしい。
いつも先輩についていきます‼的な感じ。
冷たい私にもあんな感じ。ま、それは遥香も一緒だけどね。
なんだかんだで、私のことわかっててくれてるらしい。
そんな彼らを横目にカウンターでコーヒーを入れる。
仕事前のコーヒーも日課になってる。
そして今日はどんな日になるかと、考える。
「おはよ、雪兎」
「オーナー、おはようございます」
「あれ、朝からどうしたんすか?」
礼央が興味津々に言う。確かにオーナーが朝店に顔を出すことなんて今までなかった。
オーナーは女性で大のイケメン好き。
私達はみんなオーナーからスカウトされた訳。
でも皆の母親的な存在でもある頼れる人。
この人が居なかったら今の私はいない。
そしてこの後、オーナーが言った言葉は私を変えるものだった。