鍵を回し、そっと裏口から店に入る。
今日もまだ誰も来てないらしい。
現在、8時12分。
私の日課は毎日ここの鍵を1番に来て開けること。
やっぱりこのお店が好きだから、ついつい早く来てしまう。
上着を脱いで、開店準備に取りかかる。
キッチンにあるケーキを取り出して、ショーケースに並べる。
レジのお金を数えて、おつりの補充。
店内の電気をつけて、テーブルの配置を整える。
「おはよーございまっす‼」
「おはようございまーす」
裏口が開いて男女の2人組が入ってくる。
時間は9時ちょうど。
「おはよう」
「あ、今日のオススメミルクレープなんですね。私、看板書きます」
クールビューティには程遠いほどの明るい金色の髪。
でも、その髪が傷んでるとこはみたことがない。
そして何よりもキューティーガールと言われるだけあって、可愛い。
守りたくなるような子。山本遥香 確か20歳だったかな。
「じゃあお願いします」
「相変わらずかっこいいっすね‼じゃ、俺掃除して来ます」
「お願いします」