「…えっ?」


一瞬言葉を失って、慌てて聞き返した。
何度も嘘だと願って…。


「だからお前と十分付き合っただろ?」


「十分ってなに?だって好きって…言ってくれたじゃない」


「あんなの真に受けたの?あはは、うけんだけど」


お腹をかかえ、悪びれる様子もなく笑い転げる男を見ると虚しくなる。


「嘘だったの…?」


「当たり前だろ。彼女ちゃんといるし。じゃあな」


「ま、待って!!!」


私の制止する言葉は、そこにただ響いただけだった。
まるで、また明日も会えるような言葉。
でも、確実に私達は終わってしまったんだ。
今まで過ごして来た全てのことが無意味になってしまったんだ。
そう…全部。