「琉生、あの子のこと好きなの?」


「え?!」


オレが、春美のことが好き?



「記憶がないなんて、

やっぱりウソなんじゃない?」



「・・・」



見舞いに来ていた時の記憶しかないのに、

好きだなんてそんなこと・・・



「琉生?」




「・・・ごめん。

やっぱり、一人で帰るよ」


オレは、引き留める祥子を振り払って、


一人、

歩い帰った。



「・・・琉生…君?」


誰かがオレの事を呼んだ。