うちのレポートって、チョコレートの箱みたいだ。お客さんから文句を言われない為に書かなくても分かるようなコトを書いておく。端々には巧みな嘘が隠されてる。果汁0パーセントの「苺そのままチョコレート」のように。
自嘲的な溜め息をついて、椅子に座りなおした。

「チョコレート好きなの?」
突然後ろから知らない声が聞こえた。
さっと後ろを振り向くと、そこには同じ講師の宮本さんが立っていた。