「はぁぁ~疲れた~。」
溜め息をつきながら机に塞ぐ。一番眠い五時間目の化学が終わった。
あの日からあたしはきっと溜め息ばかりついてると思う。
人生の汚点とも言える最悪の日。


  ♦♢

あたしは、この間まで彼氏がいたんだ。誰もが認めるイケメン彼氏。明久 陸。中学一年生の夏休みから始まった恋。ラブラブだったはずなのに!はずなのに!
陸は今さまざまな雑誌に載る有名アイドルになっている。陸はアイドルになってから仕事が増えて行った。高校の夏休み三年間の恋が終わった。

陸はどうやら一般人のあたしより現役のかわいいモデルの方が好きらしい。別れを告げられた次の日に陸にはかわいい彼女ができていました。どうやら、陸は浮気をしていたもようです。





別れてから一年また夏がきた。

「大丈夫?」
「大丈夫じゃない。」

あたしの心配をしてくれるのは心友の園原 葵。とにかく可愛くて護ってあげたくなるようなタイプの女の子。男子にモテモテ。羨ましいことで。

「まだ、明久のこと引きずってんの?」
「ゔ~ん。だって幼馴染みなんだよ。」
「幼馴染みとはいえ別れたんだから忘れなさい。何のために髪を切ったの?」

そうなんです。あたしは別れてからきっぱり陸のことを忘れようと髪をバッサリ切ったのです。

「痛いとこつかないで~。」
「なら、次の恋を見つけなさい。」
「うん。彼氏欲しい!けど、はぁ~なんでモテないんだ?やっぱ顔かそれとも色気?かわいさ?」
「絵梨香はそのままが一番良いよ。ぶっちゃけると髪短いから男装似とか合いそう。」
「余計なお世話だよ。」
「まぁまぁ、恋なんてするときにするんだよ、確率なんて無いんだから。」

すごく良い言葉何だろうけど、彼氏持ちの葵に言われたくないよ。
葵の彼氏は葵を溺愛してるこの学校三本指に入るサッカー部のエースくん。背が小さいのがコンプレックスならしいけど、背の低い葵と並ぶととてもお似合いだ。