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「ただいま~…」

「お帰り~!遅かったねぇ」

…お父さんには、言うべきかな…。

「お父さん」

「ん?どうしたの、そんな深刻そうな顔して」

「…あの薬こと」

「薬?…あぁ、“強制的に能力者になれる薬”か?」

「うん。それ、実在するんだって…」

「……っ!なんだと!?」

やっぱりそこまで情報は出回ってないんだ。

「名前は、KN-81。その薬を服用すると、1週間から1ヵ月で死に至る。
犠牲者は、もう200人を超えたって…」

お父さんは下を向いて、黙ってしました。

…責任かんじてるのかな?

すると、今まで聞いたことないお父さんの声が、部屋に響いた。

「本当か?」

背中に冷や汗がつたう。

こんなお父さん、見たことない…。

「うん、事実だよ」
ビビってるのがバレないように、なるべくいつもどうりの自分に見せる。

そう答えると、お父さんに笑顔が戻った。

「そうか。今日は寝ろ、学校だろ?」

「うん…おやすみ」

私はそう短く言い、自分部屋に戻った。