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「ねえ、ここって新しくできたっぽくない!?」

「あ、本当だ…入ってみようか」

「そうだね!!」


のりのりな知香と気乗りしない私。
まあ、ケーキ食べたいし……。


――カランカラン

オシャレな木目のドアを開けると
中からとても甘い香りがした。


「いらっしゃいませ。二名様でしょうか?」

「はい。」

「では、こちらへご案内いたします。」

知香がてきぱきと答えていく間
私は目が離せなかった。

少し明るい茶色の髪の毛。
ふわふわしてて少しだけ
ワックスで遊んでいる。

優しく細めた目から見えた
瞳は色素の薄いとてもきれいな茶色。

まつ毛も長くてくっきりした二重。

色も白くて笑うと右のほほにできる
ちいさなえくぼ。

トレーを持つ指は
女性のようなとてもきれいな手をしていて

どこからかにじみ出る
大人の色気にくらっときてしまった。

「かすみっ!行くよっ!」

「…ぁ。うん」

さっきから耳が熱くて
うるさいくらいに心臓が動いて鳴りやまない。