私は青山麗奈。高校に入学して1日目の朝だ。

私の席は廊下側の1番前だった。

出席番号順だから仕方がないとは思うけど、
1番前はアンラッキーだ。


ずどん!!


私の隣の席に鞄を勢いよく置いた男の子がいた。


1番端の廊下側の席だから麗奈と同じ出席番号1番の男子だ。


髪は茶髪で、小麦色の肌をしている。


スポーツが得意そうな少年だった。


少年「あぁ-疲れた!!」


それを聞いて後ろの席の男の子がゲラゲラ笑っている。


ふいに少年はこっちをちらっと見たが、

また後ろの男子と話始めてしまった。


だがやはりこっちを見てきた。


さっきよりも長い時間だ。むしろガン見だ。


麗奈「あ…あの…」


少年「えっ!?あぁごめんね!!かわいいなぁって思って」


麗奈「えっ!!」


顔が赤くなる。
いやだ!冷静でいないと!恥ずかしい。


少年「どこで買ったの?」


麗奈「えっ?」


少年「髪につけてる桜のピンだよ!」


何だピンか…
自意識過剰だった。
でもピンを誉めてもらったのはとても嬉しい。
お気に入りのピンだからだ。


麗奈「このピンお母さんのお店で売ってるの。お母さんアクセサリー専門店の店長なの」


少年「そうなんだ!俺桜好きなんだよね-!あっ名前聞いてなかった!」


麗奈「麗奈だよ。あの…」


少年「あぁ俺は神谷翔馬。バスケ部!よろしく」


麗奈「バスケ部かぁ…だからさっき疲れたって言ってたんだ。朝練だよね?」


翔馬「そうそ。だってこいつのせいで5km走るはめになったんだぜ?」


翔馬は後ろにいる男子を指差した。


後ろの男子は笑っている。


男子「俺じゃね-よ!お前がSMAPの中居のまねするからだろ?」

翔馬「だってお前がやれって言うから」


麗奈「あはははっ!二人とも面白いね!!」


男子「麗奈ちゃんだっけ?自己紹介忘れてたね。三浦健人。よろしく」


麗奈「よろしく。健人くん翔馬くんと同中?」


健人「そだよ」


翔馬「中学の時からうるさかったんだぜ!!」


麗奈「そうなんだ」


するとゴツい先生が入ってきて翔馬くんの頭を叩いた。


翔馬「いって-!」


先生「朝練酷かったな!見てたぞ」


健人「何で顧問がここにいるんすか?」


先生「担任だからに決まってるだろ」


どうやらバスケ部の顧問らしい。

ゴツい先生は教卓に立ち、自己紹介を始めた。

翔馬くんと健人くんは信じられないという顔をしている。