−♪キーン・コーン・カーン・コーン...



あぁ今日も1日が終わってしまった。『はぁ…。』思わず出てしまうため息。家路に向かう足どりがいつもに増して重い。

本当は用事なんてなかった。由紀と一緒に居たくなかったわけでもない。かといって一人になりたかったわけでもない。
正直1人になったらきっと泣いちゃうから。1人ポッチにはなりたくない。
だけどそれ以上に今誰かの側に居る事がものスゴク苦痛なんだ。


誰かの側に居る。 = 強がって笑ってなくちゃいけない。


造り笑いすればする程、部屋に戻ってきて1人で居る時の辛さがますんだ。



「ただいま。」



家へ帰って来てしまった。
返事がない事わかっているのに言ってしまう。
リビングからもれる父と母の笑い声。つい耳をふさいでしまう。
居るのに『おかえり。』がない。居る事がわかっているからこそリビングに顔が出せない。
リビングを素通りして自分の部屋へ行く。そして、まだでるの?って聞きたくなるくらい1人で泣くの。

泣いても 泣いても どんだけ泣いても何も変わらない。
此処には私の居場所なんてない。



いつだったけかな?。お腹が減ってリビングへ行った時。

「おかん。何か食べるものない?!」

私はあまりの空腹で母に問いた事がある。

「あんたいたの?あんたの食べるものなんてないけど。」

背を向けたまま冷静にそう答えた。
それからというもの私は深夜みんなが寝静まったころ夜ご飯を食べるようになった。



私には今どこにも居場所がない。

いつも眠りにつく時

“このまま死んでしまおうか…。”
“どの死に方が1番楽だろう…。”
“朝、目が覚めなければいいのになぁ…。”

なんて事を考えてしまう。
それでも生きている。だから毎朝、同じ様に目覚めてしまう。