「おじゃましまぁ〜すっ!」

「誰もいないから。勝手に入っちゃってくださいなっ。」


私達はそのまま2階の亜美の部屋に上がった。


「早く乾杯しよぉ〜!」

「じゃぁ!仲良しに」

−乾杯っ!−


何時間くらいが過ぎただろう…。たわいもない会話で馬鹿みたいに笑い転げて。
久々に笑った気がした。久々に生きている実感がした。


「ただいまっ!」

「あっ!兄貴が帰って来た。おかえりぃ〜!」


亜美は部屋から大声で叫んでいる。
かなりのハイテーションな亜美に驚いたのか亜美の兄貴が部屋に顔を出した。


「お前、何してんの?!
あぁ〜!友達きてんのか。どうも!」

「おかえりなさいっっ!」


酔っていたせいか、憧れていたからなのかわからないけど思わず口をついた言葉は『おじゃましています。』でも『こんにちは。』とか挨拶的なコトじゃなくって
『おかえり。』だった。


「あっ…!ただいまです…。
ってかお前等飲んでたの?!」

「そのとぉ〜りっ。この子、同級の美咲ちゃん!今日は友達になった記念に飲んでまぁ〜す!
美咲ぃ〜、こいつ兄貴の尚人だよっ!」

「初めましてっ!美咲です。よろしくデス!
尚人さんも一緒に飲みます?」

「兄貴も一緒に飲もうっ!これは亜美からの命令だっ!」

「じゃぁおじゃまさせてもらいますっ。先に着替えて来るわ!」


着替えを済ませて戻って来た。今度は3人で乾杯をした。
私はすでに酔っていてハイになったりローになったりがかなり激しかった。
亜美はもうグロッキー状態っ。
気付けば買ってきた酒は全て飲み干していた。


「あぁ〜。いっぱい買ってきたのに無くなっちゃったねっ!亜美が飲み過ぎなんだよぉ。尚人君はちゃんと飲んだですかぁ?」

「俺、全然飲んでねぇよ。亜美と美咲ばっか飲んでたしなっ。ってか未成年は酒飲んじゃダメって知ってるか?!」

「えぇ?酒は14歳からタバコは16歳からですよぉ。」

「何?その法律。未成年は酒もタバコも禁止されてるんだよっ!」


そう言いながらタバコに火をつけた。


「尚人君だって未成年じゃん。」

「俺はいいのっ。」

「ずる〜い。」