二人の沈黙をやぶる様に冷たい風が吹き抜ける。

「さみぃー!お前もう帰れっ!」

「タカにぃはぁ?帰らないの?」

「俺は今から暴走行ってくから先に帰れ。あとここには二度とくるなっ!」

「私も連れて行って!」

「…帰れっ!」


兄貴はタクシー代と言ってお金を手渡した。私は帰る気なんてさらさらない。
落ちるとこまで落ちてやる…。

私は家と逆方向に行けるとこまでタクシーを進めてもらった…。


14歳の私。見るからに未成年の私。


「ちょっと君!こんな時間に何をしているんだ。こっちへ来なさい。」

警察だ…。
案の定補導されてしまった。
なす術もなく、私は家まで警察に送ってもらっていた。