色のついた光が四つ、舞台に照らされていた。


降り注がれる丸い光に目をそむけることなく、まっすぐに見つめていた。


歓声はしだいに高まり、四人に浴びせるように貫いてゆく。


そして彼らは、体を震わせる期待と勢いに満ちた空気を、全身に受け止めて浸透させた。

順に一人ずつ軽く踏む足音、それが彼らの合図。

どれだけ歓声が大きくなろうとそれだけは聞き逃すことはなかった。


彼らは血と魂が繋がっているのだ。

そして最後に、マイクを軽く握り締めた彼が、咳払いをしたらスタート。


ギターの音が長く会場に響き渡る。波がひくように歓声が小さくなった。

照らされていたライトは一度暗くなり、そしてマイク台に手を添える彼だけを照らした。


青白い光を。


「神のもとに咲く四つの魂・・・


桜が舞うように光が揺れる。


彼が一言口にすれば、もうその場は彼らだけの場所になる。


伝説の学生バンドとは彼らのことだった。

四つの魂で繋がった神の子。

ロックバンド、「God Child」

神咲(しんざき)という家元に生まれた四つ子。

異彩で妖艶な雰囲気を放つ彼らが奏でる音は、次元を超えた美しさだった。


ここにいるものにすべてを捧げよう・・・。」


そして彼らは、歓声を上げる一人ひとりからも、魂を奪っていくのだ。