――3月。卒業式。

「さぁ」

卒業証書を持った尋先輩が玄関で私の名前を呼ぶ。

「先帰っていいよー」
「今日は特別だし(笑)」

綾未と詩歩が言う。

「ありがとう。バイバイ」

尋先輩と手を繋いで玄関をでた。