ひかれたと気づくのには少し時間がかかった。
車にひかれたが若干意識はあったので打ち所が悪かったわけじゃないらしい。


だが、さすがに意識は朦朧としている。


人のざわめきと俺に呼び掛ける声近づく足跡に救急車やパトカーのサイレンがいつもベッドの上で聞いているような音楽に聞こえなぜか心地よかった。


もしかして、俺は部屋に戻り音楽を聞きながらベッドに横になっているのではないかと錯覚してしまうほどに。


今日は疲れていたのだろう、いつもはここで寝ないはずなのに、目が閉じてしまった。