「 わーっ・・・綺麗 」




私、こういうの好きだな、と
小さな声で呟いた。




眩しいような小さな光。
聞こえる波の音。




「 ねぇ、あきも海に居る? 」


『 うん、見てるよ、海 』




あきの声に混じって聞こえた
波の音が携帯から聞こえるのか
それとも目の前の波の音なのか
よく分からなかった。




ガードレールに浅く腰掛けて
ずっとずっと遠くを眺める。




「 ・・・・真っ暗だ 」




仕事帰りの私は、全身から
疲れが抜けていくような、
そんな気持ちにそっと目を閉じた。