ああ見えてきっとお父さんのことを
思い出して辛かったんだろうな、と
小さくなっていく背中を見て
しんみり思いながら、帰路につく。
お父さんは優しい人だった。
痛くても辛くても笑っていて
だけどちゃんと叱ってくれる人。
自慢のお父さんだった。
そっか、今日か。と
空を見上げて
この空の上からきっと
私やお母さんのこと、
見守ってくれてるんだろうな、と
そう思うとふっと頬が緩んだ。
────────────────空だよ。
・・・・・・ふと過ぎった昨日のあきの言葉。
いや、だけど・・・・そんなわけないか。
家に帰って、シャワーを浴びて、
ベッドに入る少し前に鳴った携帯に
やっぱり私は頬を緩めていた。